一眼レフカメラや、レンズ交換ができるカメラを購入したら、やっぱり、いろんなレンズを試したくなりますよね。
カメラのレンズも、もちろんカメラのメーカーから各々販売はされており、いろんな種類があります。
焦点距離や、ズームの幅、F値の固定されたものや、超望遠から小さいものを撮影するマクロから、魚眼レンズという広い画角で取れるものまで、本当に多種多様です。
今回、ご案内したいのは、私も購入当初にカメラ屋さんでたくさん教えていただいた「レンズマウント」というものをお伝えしたいと思います。
1.カメラのレンズマウントとは?
カメラのレンズマウントとは、カメラ本体とレンズを接続するための接合部分の規格のことです。文字通り、レンズを「マウント(装着)」するための部分ですね。
このマウント部分には、レンズを物理的に固定する機構だけでなく、カメラ本体とレンズの間で情報(絞り値、AF駆動情報、手ブレ補正情報など)をやり取りするための電気接点も備わっています。
レンズマウントの規格は、メーカーやカメラの種類(一眼レフ、ミラーレスなど)によって異なります。そのため、基本的に特定のメーカーのカメラには、そのメーカーが採用しているマウントに対応したレンズしか装着できません。
2.レンズマウントの種類
現在、多くのカメラメーカーが独自のレンズマウントを採用しています。ここでは、主要なレンズマウントをいくつかご紹介します。
【一眼レフカメラの主なレンズマウント】
- キヤノン EFマウント / EF-Sマウント:
- キヤノンの一眼レフカメラで採用されているマウント。EFマウントはフルサイズ対応、EF-SマウントはAPS-Cセンサー向けに設計されていますが、EF-SレンズはEFマウントのカメラにも装着可能です(ただし、APS-Cの画角で撮影される)。
- ニコン Fマウント:
- ニコンの一眼レフカメラで長年採用されているマウント。非常に歴史が長く、豊富なレンズ資産が魅力です。
- ペンタックス Kマウント:
- ペンタックスの一眼レフカメラで採用されているマウント。
- ソニー Aマウント:
- ソニーの一眼レフカメラ(αシリーズ)で採用されていたマウント。現在はミラーレスのEマウントが主流です。
※上記で記載している「フルサイズ・APS-C」というのは、カメラ内部に備わっているセンサーサイズの事です。センサーサイズについては、また別の記事でご紹介したいと思います。
【ミラーレスカメラの主なレンズマウント】
ミラーレスカメラは、一眼レフカメラよりもフランジバック(レンズマウント面からセンサーまでの距離)を短くできるため、より小型・軽量なレンズ設計が可能になります。
- ソニー Eマウント:
- ソニーのミラーレス一眼カメラ(αシリーズ)で採用されているマウント。フルサイズ対応のFEレンズとAPS-C対応のEレンズがあります。サードパーティ製レンズも豊富です。
- キヤノン RFマウント / EF-Mマウント:
- RFマウントはキヤノンのフルサイズミラーレスカメラ「EOS Rシステム」で採用。EF-MマウントはAPS-Cミラーレスカメラ「EOS Mシリーズ」で採用されています。
- ニコン Zマウント:
- ニコンのフルサイズ・APS-Cミラーレスカメラ「Zシリーズ」で採用。大口径が特徴です。
- 富士フイルム Xマウント:
- 富士フイルムのAPS-Cミラーレスカメラで採用。高性能な単焦点レンズが豊富です。
- マイクロフォーサーズマウント:
- パナソニック(LUMIX)とOMデジタルソリューションズ(OM-D, PEN)が共同で策定したマウント。小型・軽量なシステムが特徴で、両社のレンズを互換性をもって使用できます。パナソニックのLUMIXレンズ(LUMIX Gレンズ)も、このマイクロフォーサーズマウント規格に準拠しており、OMデジタルソリューションズ(旧オリンパス)のマイクロフォーサーズカメラにも装着可能です。※マイクロフォーサーズは、センサーサイズの名称で一番小さいセンサーサイズです。
- Lマウント(ライカLマウント):
- ライカが策定したフルサイズミラーレスカメラ用のマウント。パナソニックのLUMIX(Sシリーズ)やシグマ、ライカがこのマウントを採用し、「Lマウントアライアンス」を形成しています。パナソニックからは、このLマウントに対応した高性能な「LUMIX Sレンズ」が多数ラインナップされており、大口径レンズや高い描写性能を持つレンズが特徴です。
- その他
- 上記の様に、各カメラメーカーで出しているレンズ意外にも、カメラのレンズだけのメーカーやブランドがあります。メーカー名とブランド名が混在してしまいますが、一般的にカメラ愛好家の中で通称名としてわかるものが「シグマ、ノクトン、トキナー、タムロン」といったものです。これらのレンズは、各マウント別に製造されているわけではなく、特定のマウント用にレンズを作成されていることがあるので、すべてのマウントに対応しているわけではありませんが、それぞれに特徴や表現力が違って素晴らしい描写をしてくれます。
3.他社のレンズマウントを使う時
さて、ここまでご紹介した事を踏まえると「ソニーのレンズをキャノンのカメラにつけれないのか?」と、思われることもあるでしょう。そのままでは使用する事はできませんが、そんな夢のような他社のレンズマウントを自身のカメラマウントに装着できるようにしてくれる便利なものがあります。それが「マウントアダプター」です。
マウントアダプターとは?
マウントアダプターは、異なるレンズマウントを持つカメラとレンズを接続するための変換アダプターです。これにより、本来装着できない組み合わせでレンズを使用することが可能になります。
例えば、キャノンのレンズ(RFマウント)をソニーのカメラに使用したい場合は、RFマウント→Eマウントへ変換するマウントアダプターを使用する形になります。
マウントアダプター使用時の注意点
マウントアダプターを使用する際には、いくつか注意点があります。
- AF(オートフォーカス)性能:
- 電子接点のないマウントアダプターの場合、AFは使用できません。マニュアルフォーカス(MF)での撮影になります。
- 電子接点付きのマウントアダプターでも、メーカー純正品以外はAF速度や精度が低下する場合があります。特に、動画撮影ではAFが追従しにくいことがあります。
- AE(自動露出)制御:
- 電子接点がない場合、絞りもマニュアル設定になることがあります。
- 電子接点付きでも、レンズの情報をカメラに正確に伝えられない場合、露出が不安定になる可能性があります。
- 手ブレ補正:
- レンズ側に手ブレ補正機能があっても、アダプターを介することで機能しない、あるいは効果が薄れる場合があります。
- 画質:
- マウントアダプター自体が光学的に画質に影響を与えることは稀ですが、レンズ本来の性能を十分に引き出せない場合があります。特に、アダプターの精度が低いとケラレ(画面の四隅が暗くなる現象)やフレアなどが発生する可能性もあります。
- 物理的な制限:
- 一部のレンズは、フランジバックの制約などにより、マウントアダプターを使用しても装着できない場合があります。
- レンズが大きすぎると、カメラとのバランスが悪くなり、持ちにくくなることもあります。
どんな時にマウントアダプターを使うべきか?
- オールドレンズを楽しみたい時:
- 過去の名玉と呼ばれるレンズは、現代のデジタルカメラでは表現できない独特の描写を楽しむことができます。マニュアルフォーカスでじっくり撮影を楽しみたい方におすすめです。
- 特定の描写を持つレンズを使いたい時:
- 現行ラインナップにはないユニークな描写をするレンズを試したい場合に有効です。
- 費用を抑えたい時:
- 特定のレンズを新品で購入するよりも、中古の他社製レンズとマウントアダプターを組み合わせる方が安価に済む場合があります。
まとめ
いかがでしょうか、カメラのレンズを購入される際に参考になれれば幸いです。
本当にカメラのレンズはたくさんの種類があり、どれも欲しくなるものばかりです。
また、いいレンズは、何年経っても愛用され続けていますので、なかなか安くなることはありません。
ぜひ、みなさんのカメラライフにおいて「この一本!」となる良きレンズに出会えますことを祈念しております。
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